- 3000分の1秒だけ映る謎のメッセージ。
- 気づかないうちに人は操られるという噂。
- 世界を騒がせた実験には、意外な真相が隠されていた。
「人は、見えない命令にも従ってしまう。」
そんな噂が世界中に広まるきっかけとなった、有名な実験がある。
1957年、アメリカ・ニュージャージー州フォートリーの映画館で上映された映画『ピクニック』。
その映像には、観客が気づかないほど一瞬だけ、あるメッセージが映し出されていたという。
3000分の1秒の命令
メッセージが映る時間は、わずか3000分の1秒。
しかも5秒ごとに繰り返し表示されていたといわれている。
「コーラを飲め」
「ポップコーンを食べろ」
観客の誰も、その文字を見たという記憶はなかった。
ところが上映後、コーラの売り上げは18.1%、ポップコーンは57.5%も増えたと発表されたのである。
「人間は、気づかない映像だけで行動を操ることができる。」
この衝撃的な話は新聞やテレビで取り上げられ、サブリミナル効果という言葉は一気に世界へ広まっていった。
本当に人は操られたのか
この話を知った人々は、映画だけではないと考え始めた。
テレビ番組やCMにも、同じようなメッセージが隠されているのではないか。
自分では気づいていないだけで、誰かに行動を操られているのではないか。
そんな不安は次第に大きくなり、「サブリミナル」という言葉そのものが都市伝説のように語られるようになっていく。
しかし、実験は存在しなかった
ところが後になって、この有名な実験には思いもよらない事実が明らかになる。
実験を発表したジェイムス・M・ヴィカリー本人が、発表した内容は捏造だったと認めたのである。
サブリミナル効果を利用する機械を販売するため、話題作りとして実験結果を作り上げたというのだ。
その後も同じような効果を確かめる研究は繰り返されたが、この実験で語られたような劇的な結果は確認されなかった。
それでも噂は消えなかった
実験は存在しなかった。
そう明らかになった後も、「サブリミナルは人を操れる」という噂は消えなかった。
テレビや映画の一瞬の映像に、秘密のメッセージが隠されているという話も、今なお語られている。
そして今でも、「あの実験で証明された話だ」と信じている人は少なくない。
もし、それさえもサブリミナル効果だったとしたら──。
一度聞いた噂を、私たちは簡単には忘れられないということなのかもしれない。


