- 何気ないホテル予約サイトのCMに「違和感がある」と話題になった。
- 3人で旅行しているのに、一人だけ宿泊料金を知らない。
- その小さな違和感から、「仲間外れ説」という噂が生まれた。
ホテル料金比較サイト「トリバゴ」のCM。
旅行先で「もっと安く泊まれた」という、ごく普通の内容だ。
ところが、このCMを何度も見ているうちに、商品の説明とはまったく別のことが気になってしまう人がいるという。
「あれ、よく考えると変じゃない?」
そんな違和感から、ネットではある噂が語られるようになった。
一人だけ料金を知らない
CMでは、女性3人がホテルのテラスのような場所で、それぞれリクライニングチェアに腰掛け、くつろいでいる。
そのうちの一人が、満足そうにこうつぶやく。
「さすが38,000円だわ。」
すると隣の女性が、何気なく答える。
「実は19,000円だったんだ。」
そして、もう一人が笑顔で言う。
「やってないの? トリバゴ。」
「やらなきゃ、トリバゴ。」
CMとして見れば、ホテル比較サイトを使えばお得に予約できる、というだけの話だ。
しかし、一度気になってしまうと、ある疑問が頭から離れなくなる。
なぜ、3人で旅行しているのに、一人だけ宿泊料金を知らなかったのだろう。
ネットで語られた「仲間外れ説」
もちろん、考えられる理由はいくつもある。
- 一人だけ別に予約した。
- 代表者がまとめて予約した。
- 料金の話をする機会がなかった。
どれも十分あり得る話だ。
ところがネットでは、別の見方をする人たちが現れた。
知っていたのは二人。
知らなかったのは一人。
その構図が、まるで最初から一人だけ輪の外にいるように見えてしまうというのだ。
「実は一人だけ高い料金を払っているのでは?」
「最初から仲間外れだったのでは?」
そんな想像が、次々と語られていく。
もちろん、CMの中にそんな設定は一切描かれていない。
それでも、「知らなかったのは一人だけ」という事実だけが、小さな違和感として残り続ける。
都市伝説は、空白から生まれる
おそらく制作側に、そんな意図はなかっただろう。
それでも、このCMを見て「何かおかしい」と感じる人は少なくない。
不思議なのは、その違和感がホテル代ではなく、人間関係へ向かうことだ。
誰も責めていない。
誰も悪意を見せていない。
それなのに私たちは、「一人だけ知らされていなかった」という小さな空白から、人間関係の物語を作り始めてしまう。
都市伝説は、事実から生まれるとは限らない。
ほんの少し説明が足りないだけで、人はその隙間を想像で埋めようとする。
だから今でも、このCMを見るたびに「あの三人は、本当に対等な友達だったのだろうか」と考えてしまう人がいる。
もしかすると、この都市伝説の主役はCMではない。
見えない空白を、自分にとって最もしっくりくる物語で埋めてしまう、私たち自身なのかもしれない。

