- 世界的な事件が起こるたび、一人の予言者の名前が浮かび上がる。
- 「鋼鉄の鳥」など、不気味な言葉が未来を言い当てたと語られている。
- 本当に予言だったのか、それとも後から生まれた噂なのか。
「鋼鉄の鳥が双子の兄弟を襲う。」
この一文を見て、何を思い浮かべるだろうか。
多くの人は、2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロを連想するという。
そして、この言葉を残したと噂されている人物がいる。
その名はババ・ヴァンガ。
ブルガリアで暮らした盲目の女性であり、「未来を見通す力を持っていた」と世界中で語られる予言者である。
しかし、彼女をめぐる都市伝説は、「予言が当たった」という話だけでは終わらない。
「当たった」と語られる数々の予言
ババ・ヴァンガには、歴史的な出来事を予言していたという噂が数多く残されている。
最も有名なのが、9.11同時多発テロと結び付けられる「鋼鉄の鳥」の予言だ。
「双子の兄弟」はニューヨークのツインタワーを、「鋼鉄の鳥」は旅客機を意味していたのではないかと語られている。
ほかにも、ソ連崩壊やチェルノブイリ原子力発電所事故、ダイアナ元皇太子妃の事故死などを言い当てたという話が世界中へ広まった。
こうした話だけを見れば、本当に未来を見ていた人物だったようにも思えてしまう。
本当に本人が残した言葉なのか
ところが、ここから話は少し奇妙になる。
「鋼鉄の鳥」の予言を含め、多くの言葉には、当時の記録が確認できないものが少なくない。
新聞や映像に残された発言ではなく、後になって「実はこんな予言をしていた」と語られ始めたものも多いのである。
誰かが伝え聞いた話なのか。
後から付け加えられたものなのか。
それとも、本当に本人が語っていたのか。
その境界は今もはっきりしていない。
毎年増え続ける予言
年末が近づくと、「ババ・ヴァンガが来年を予言していた」という話題が世界中で広がる。
戦争、異常気象、大災害、宇宙、AI、新しい病気……。
毎年のようにさまざまな予言がSNSや動画サイトで紹介される。
しかし、不思議なことに、同じ年の予言なのに内容が一致しないことも珍しくない。
ある記事では世界規模の停電。
別の記事では未知の感染症。
さらに別の場所では宇宙人との接触が語られている。
まるで、新しい出来事が起こるたびに、新しい予言まで生まれているようなのである。
都市伝説は予言を増やし続ける
ババ・ヴァンガが本当に未来を見ていたのか、それを証明することはできない。
しかし、一つだけ確かなことがある。
世界で大きな出来事が起きるたび、人々は「彼女はこれも予言していたらしい」と語り始める。
予言が事件を待っているのではない。
事件が起きるたび、新しい予言が生まれていく。
だからこそ、ババ・ヴァンガの都市伝説は何十年経った今も終わらない。
次に世界を揺るがす出来事が起きたとき。
また新しい「予言」が、彼女の名前とともに語られ始めるのかもしれない。

