プリクラには隠しカメラ盗撮がされている

おもしろ・珍説
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ざくっと都市伝説
  • プリクラの撮影ブースには隠しカメラがあるという噂。
  • 流出した「エロプリ」は店員が関わっているとも囁かれた。
  • ゲームセンター全体が見られている場所だという話まで広がっていった。

ゲームセンターへ行けば、最後はみんなでプリクラを撮る。

そんな光景が当たり前だった頃、不思議な噂が学生たちの間で広まっていた。

「プリクラの中には隠しカメラがあるらしい。」

最初は誰かが冗談で言い始めたような話だった。

しかし、一人が聞けば二人に伝え、二人が十人に話すうちに、いつしか「知っていて当然」の噂になっていく。

プリクラの撮影ブースには、利用者が写真を撮るためのカメラしか見当たらない。それなのに、「本当は別のカメラがある」「スタッフだけが映像を見られる」と真顔で話す人は少なくなかった。

理由として語られたのは、ブースの中にある小さな穴だった。

照明の近く、モニターの縁、壁の継ぎ目。どれも機械の構造上必要なものなのかもしれない。しかし、「あの穴が怪しい」と誰かが言えば、それまで気にも留めなかった黒い点までカメラに見えてしまう。

撮影が終わる頃には、「さっき誰かに見られていた気がする」と口にする人まで現れたという。

この噂がさらに広がった理由として語られたのが、「エロプリ」の存在だった。

インターネットが今ほど身近ではなかった時代でも、女性が大胆なポーズで撮影したプリクラが流出しているという話は各地で囁かれていた。

その画像はどこから出てきたのか。

「プリクラ機の中に保存されていたものを店員が持ち出したらしい。」

そんな話が、まるで事実であるかのように語られていたのである。

もちろん、「友達が見た」「知り合いが聞いた」という話ばかりで、実際に証拠を見せられた人はほとんどいない。それでも、「誰かが見ている」という噂だけは、不思議なくらい消えることがなかった。

やがて疑いの目は、プリクラだけではなくゲームセンター全体へ向けられる。

ダンスゲームでは、プレイヤーの足元を狙って盗撮する者がいるという話が流れた。

「ローアングルから撮影できる場所がある。」

「ゲーム機の下にカメラを仕掛けている人がいる。」

そんな噂を聞いたことがある人もいるだろう。

ゲームセンターという、人が集まり、夢中になって遊ぶ場所だからこそ、「気付かないうちに狙われている」という話は強い不気味さを持って受け入れられたのかもしれない。

ある学校では、「プリクラを撮る前にブースの穴を全部確認する」という女子生徒がいたという話まで残っている。

別の地域では、「撮影中は壁にもたれない方がいい」「鏡に映る角度まで見られている」と先輩から後輩へ教えられていたという。

その忠告が本当に何かを防いだのか、それとも噂を広めただけなのかは誰にも分からない。

しかし、不思議なことに、その話を聞いた人の多くは、実際にプリクラへ入ると無意識にブースの中を見回してしまう。

天井の隅。

照明の奥。

モニターの周囲。

ほんの小さな穴を見つけるだけで、「これだったらどうしよう」と一瞬考えてしまうのである。

実際に隠しカメラが仕掛けられていたという決定的な証拠が語られることはほとんどない。それでも、この噂が長く生き残ったのは、密室であるプリクラが「外からは見えない場所」だったからだろう。

見えない場所には、見えない何かがある。

そんな想像は、昔から人を惹きつけてきた。

今では高性能なスマートフォンで気軽に写真を撮れる時代になり、プリクラを利用する人も以前ほど多くはない。

それでも、ゲームセンターで古いプリクラ機を見つけると、この噂を思い出す人は少なくないという。

もし次にプリクラへ入る機会があったなら、撮影を始める前に一度だけブースの中を見渡してみてほしい。

その小さな黒い穴が、本当にただのネジ穴なのか。それとも、昔から語られ続けてきた噂の名残なのか――。