- アトランティスは海に沈んだと信じられてきた。
- プラトンの記述と一致する場所がモロッコで発見された。
- 文明だけが津波で失われた可能性が浮上している。
約1万2000年以上前に存在したとされる超古代文明アトランティス。
高度な科学技術を持ちながら、一夜にして海へ沈んだ――。
そんな伝説は世界中で語られ、多くの研究者や冒険家が海底にその痕跡を求めてきた。
しかし近年、その前提そのものを覆す説が注目を集めている。
アトランティスは海に沈んでいない。
沈んだのは都市だけであり、大地そのものは今も陸地として残っているというのだ。
アトランティス伝説の始まり
アトランティスについて最初に詳しく記した人物として知られているのが、古代ギリシャの哲学者プラトンである。
彼は著書「ティマイオス」と「クリティアス」の中で、巨大な島国とその滅亡について語っている。
後世の解釈では、アトランティスには現代文明を超える技術が存在したともいわれている。
- テレパシーによる意思疎通
- オリハルコンと呼ばれる神秘の金属
- 飛行機や潜水艦に似た乗り物
- 高度なエネルギー利用技術
もちろん、これらは後世に発展した伝承や解釈も多く含まれており、実在を示す証拠は確認されていない。
それでもアトランティスは「失われた超文明」の代名詞として語られ続けている。
大西洋説が揺らいだ出来事
長年、アトランティスは大西洋のどこかに沈んでいると考えられてきた。
プラトンの記述からも、多くの研究者は海底に答えがあると考えていたのである。
2013年には大西洋の海底で花こう岩が発見され、一時はアトランティス発見かと話題になった。
しかしその後の調査によって、それは太古に南アメリカ大陸とアフリカ大陸がつながっていた痕跡と考えられるようになった。
結果として、大西洋海底に巨大な失われた大陸が存在した可能性は低いとみられている。
こうして研究者たちは、海以外の場所にも目を向け始めた。
プラトンの記述と一致するモロッコ
「ティマイオス」と「クリティアス」には、アトランティスの地理や都市構造に関する多数の手がかりが残されている。
その中でも特に有名なのが次の特徴だ。
- アテネから一定距離にある
- 海に近い
- 中央が高くなっている
- 同心円状の地形を持つ
これらの条件を総合的に満たす場所として注目されたのが、モロッコ南西部にあるスース・マサ平原周辺である。
都市の規模や地形、海との距離がプラトンの記述と驚くほど一致すると指摘されている。
この説は2008年頃から提唱されていたが、長らく大きな注目を集めることはなかった。
ところが、その後にオリハルコンと関連付けられる遺物が話題となり、再び関心が高まったのである。
なぜ「海に沈んだ」と伝わったのか
もしアトランティスがモロッコの陸地に存在していたのなら、なぜ人々は「海に沈んだ」と語り継いだのだろうか。
そこで浮上したのが大津波説である。
スース・マサ平原は海から比較的近く、周辺は地震活動とも無縁ではない。
巨大地震による津波が発生すれば、沿岸部の都市が壊滅的な被害を受ける可能性は十分に考えられる。
2011年の東日本大震災でも、多くの町が津波によって破壊され、風景そのものが一変した。
都市が流され、人々が姿を消した出来事が何世代にもわたり語り継がれれば、やがて「大地ごと海へ沈んだ」という物語へ変化しても不思議ではない。
つまり沈んだのは大陸ではなく文明だった――。
そんな解釈である。
まとめ
アトランティスといえば、海底に眠る失われた大陸というイメージが強い。
しかし近年は、モロッコの陸地にその痕跡を求める説も注目されている。
現時点でアトランティスの存在を証明する決定的な証拠は見つかっていない。
それでも興味深いのは、「海に沈んだ」という常識そのものが見直され始めていることだ。
もし未来の発掘調査によって、モロッコの大地から失われた文明の痕跡が発見されたなら――。
アトランティス伝説は、まったく違う形で語り直されることになるのかもしれない。


