- 背後から誰かにつけられる悪夢を見る。
- 翌日、その夢と同じ光景が現実になる。
- 運命を変えたはずなのに違和感が残る。
夢の中で見た出来事が現実になる。
そんな話は昔から数多く語られてきた。
予知夢。
正夢。
あるいは未来からの警告。
だが、もし本当に未来を見てしまったとしたらどうなるのだろう。
そして、その未来を変えようとした時、何が起きるのだろうか。
背後からついてくる男
ある夜、一人の若い女性が帰宅途中の道を歩いていた。
人通りは少なく、街灯の光だけが路面を照らしている。
その時だった。
背後から誰かの足音が聞こえてくる。
気になって振り返ると、黒っぽい服を着た男が歩いていた。
ただ歩いているだけかもしれない。
しかし男との距離はなかなか変わらない。
まるで後をつけているようだった。
恐怖を感じた女性は近くのコンビニへ飛び込む。
店内で時間を潰し、男が通り過ぎたことを確認して外へ出た。
その瞬間だった。
背中に焼けるような痛みが走る。
振り向くと男が包丁を握って立っていた。
男は通り過ぎたのではない。
コンビニ脇の暗がりに隠れ、彼女が出てくるのを待っていたのだ。
視界が暗くなり、意識が遠のいていく。
そこで彼女は目を覚ました。
全ては夢だった。
夢と同じ夜
嫌な夢だった。
そう思いながら彼女は朝を迎えた。
昼間は何事もなく過ぎる。
夢のことも次第に忘れ始めていた。
しかし、その夜だった。
仕事を終えた彼女は家路についていた。
そして背後に気配を感じる。
恐る恐る振り返る。
そこには夢で見たのと同じような黒い服の男がいた。
距離。
歩き方。
こちらを見る目。
何もかもが夢と同じだった。
彼女の全身から血の気が引いていく。
まさか。
あの夢は正夢だったのか。
運命を変えるために
彼女は夢と同じコンビニへ飛び込んだ。
だが今回は違った。
ただ待つのではない。
すぐに恋人へ電話をかけたのだ。
「お願い。迎えに来て」
最初は信じてもらえなかった。
しかし彼女の異常な様子に、恋人もただ事ではないと感じた。
やがて車で迎えに来る。
二人は慎重に店を出た。
夢の中で男が潜んでいた場所には近づかない。
遠回りをして駐車場へ向かう。
そして無事に車へたどり着いた。
未来は変わった。
彼女はそう思った。
夢と違うことすんじゃねーよ
安心した彼女はふと後ろを振り返った。
そこで見てしまう。
あの男の姿を。
男は数メートル先に立っていた。
まるで最初から全てを見ていたかのように。
怒りとも憎しみともつかない表情でこちらを睨んでいる。
彼女は悲鳴を上げながら車へ飛び乗った。
その時。
男は大声で叫んだ。
「夢と違うことすんじゃねーよ!」
車は急発進し、その場から逃げ去った。
しかし彼女の耳には、その言葉だけがいつまでも残り続けたという。
男は何者だったのか
この話で最も恐ろしいのは、男の正体が最後まで分からないことである。
単なる通り魔だったのか。
偶然夢と一致しただけなのか。
それとも男自身が夢を知っていたのか。
あるいは彼女が見た夢は未来の記憶だったのだろうか。
噂では、この男は未来を修正されたことに怒った存在だったとも言われる。
もちろん証拠はない。
だが最後の一言だけは妙に引っかかる。
もし男が本当に夢の内容を知っていたのなら──。
彼女は何から逃げたのだろうか。
まとめ
「夢と違うことすんじゃねーよ」は、正夢を題材にした有名な怪談である。
- 女性は刺される夢を見る
- 翌日その夢と同じ状況が現実に起きる
- 夢を思い出して運命を変える
- だが最後に男は夢の内容を知っているかのような言葉を残す
未来を知ることは救いになるのだろうか。
それとも、本来起こるはずだった出来事を変えること自体が危険なのだろうか。
男の叫び声は今も多くの人の記憶に残り続けている。


