- 街を巡回する謎の竿竹屋。
- 実は警察の覆面捜査という噂。
- 本当の目的は犯罪者の監視だという。
「たけや〜、さおだけ〜」
住宅街を歩いていると、どこからともなく聞こえてくる独特のアナウンス。
軽トラックに物干し竿を積み、ゆっくりと街を巡回する竿竹屋である。
昔はよく見かけたが、実際に竿竹を買ったことがある人は意外と少ない。
それなのに、なぜ竿竹屋は何年も営業を続けられるのだろうか。
そんな疑問から生まれた都市伝説がある。
竿竹屋の正体は警察だった?
噂によれば、竿竹屋の正体は警察関係者だという。
事件が発生した地域や犯罪の多い地域を巡回し、不審者や容疑者の動向を密かに監視しているというのだ。
パトカーで巡回すれば誰もが警戒する。
しかし、行商の軽トラックなら地域に自然に溶け込める。
そのため警察は竿竹屋を装い、住民の反応や周辺の様子を確認している――というのである。
中には、
「竿竹屋が何度も通る地域では事件が起きやすい」
「近所で空き巣があった後によく見かけた」
など、もっともらしい体験談まで語られている。
なぜ潰れないのか
この都市伝説が広まった最大の理由は、商売として成り立っているように見えないことだろう。
毎日のように巡回しているのに、購入している人を見かけない。
それなら警察の活動費で運営されているのではないか、と考える人が現れても不思議ではない。
実際には、金物店や建材店が宣伝を兼ねて巡回販売を行っているケースが多いと言われている。
店舗での売上があるため、竿竹だけで利益を出しているわけではないのだ。
都市伝説が生まれた理由
人は目的の見えないものに出会うと、つい裏の理由を考えてしまう。
竿竹屋もそのひとつだろう。
売れているように見えない。
それなのに何十年も街を走り続けている。
その不思議さが、「実は警察だった」という噂を生み出したのかもしれない。
もちろん、竿竹屋が警察の覆面捜査という事実は確認されていない。
しかし今日もどこかで、
「たけや〜、さおだけ〜」
という声が聞こえてきたら、少しだけトラックの運転席を覗いてみたくなるかもしれない。
もしかすると本当に、物干し竿以外の何かを探しているのかもしれないのだから。


