- 富士山の麓に広がる青木ヶ原樹海。
- 鉄分の影響で方位磁針が狂うという噂。
- 実際には別の理由で迷いやすい。
富士山の北西部に広がる青木ヶ原樹海。
深い森が一面に続くその景観は神秘的である一方、「一度入ると出られなくなる森」として数多くの都市伝説が語られてきた。
その中でも特に有名なのが、方位磁針に関する噂である。
方位磁針が狂う森
青木ヶ原樹海は、かつて富士山の噴火によって流れ出した溶岩の上に形成された森である。
そのため地面には鉄分を含む岩石が多く存在している。
このことから、「樹海では磁力が異常に強く、方位磁針が狂ってしまう」と言われるようになった。
方位磁針が役に立たなくなり、気づけば元いた場所に戻ってしまう。
あるいは同じ場所を何時間もさまよい続ける。
そんな不気味な噂が広まり、樹海はさらに恐ろしい場所として語られるようになった。
実際には狂わない
しかし、鉄分を多く含む地形であることは事実でも、方位磁針を大きく狂わせるほどの磁力はないとされている。
通常の登山道や遊歩道では、方位磁針は問題なく機能する。
そのため「樹海に入ると磁石が完全に役立たなくなる」という話は都市伝説の一種と考えられている。
本当に迷う理由
ではなぜ樹海では遭難が起きるのだろうか。
理由の一つは景色の変化が少ないことにある。
森の中は似たような風景が続き、方向感覚を失いやすい。
さらに溶岩が固まってできた起伏の多い地形や、密集した樹木が視界を遮るため、自分がどこにいるのか分からなくなることもある。
方位磁針が狂うから迷うのではなく、人間の感覚の方が先に狂わされてしまうのである。
樹海に残る不気味な噂
青木ヶ原樹海には方位磁針以外にも多くの怪談や都市伝説が存在する。
夜になると人影を見る。
森の奥から誰かに呼ばれる。
進んでも進んでも同じ場所へ戻ってしまう。
その多くは証拠のない噂話だが、樹海の持つ独特な雰囲気が人々の想像力を刺激し続けているのだろう。
まとめ
青木ヶ原樹海で方位磁針が狂うという話は、有名ではあるものの事実とは異なる都市伝説である。
しかし実際に迷いやすい環境であることは間違いない。
だからこそ、この噂は長年語り継がれてきたのかもしれない。
方位磁針は狂わなくても、人の心までは正しい方向を示してくれない。
樹海が今も不気味な場所として語られる理由は、そこにあるのだろう。


