- 山奥のペンションへ泊まりに来た姉妹は、不審者への注意を受ける。
- 部屋に入ると、姉は突然、不自然な行動を取り始める。
- 姉が妹を部屋から連れ出した理由は、鏡だけが知っていた。
こんな怪談がある。
ある姉妹が、休日を利用して山奥のペンションへ泊まりに出かけた。
到着まであと少しという場所で、二人は巡回中の警察官に呼び止められる。
「このあたりでは通り魔というか、変質者が出没しています。夜は十分注意してください。」
そう言われた二人は少し不安を覚えながらも、そのまま宿へ向かった。
姉の奇妙なひと言
ペンションに到着すると、姉妹は部屋で荷物を下ろし、旅行や夕食の話をしながらくつろいでいた。
そのときだった。
鏡をぼんやり眺めていた姉が、不意に口を開く。
「ねえ、部屋の外の窓って閉まってたっけ?」
妹は深く考えず、「たぶん閉まってると思うよ」と答えた。
すると姉は、「じゃあ確認しに行こう。それからペンションの中も一回りしてみようよ」と言い出した。
着いたばかりで疲れていた妹は面倒くさがったが、姉は珍しく強引だった。
腕をつかみ、半ば引っ張るようにして部屋の外へ連れ出したのである。
どうしても部屋へ戻ろうとしない
窓はしっかり閉まっていた。
「ほら、ちゃんと閉まってるじゃない。」
妹は少し腹を立てながら言った。
しかし姉は安心した様子を見せるどころか、そのままペンションの外へ出ようとする。
さすがに我慢できなくなった妹は、大きな声を上げた。
「いいかげんにしてよ! さっきから何なの?」
鏡に映っていたもの
姉は周囲を見回してから、小さな声で答えた。
「私がさっき見ていた鏡に、あなたのベッドの下でニヤニヤ笑っている男が映っていたの。」
「あれが警察の言っていた変質者だと思った。」
もし部屋の中でそのことを口にしていたら、その男にも聞こえていたかもしれない。
だから姉は何も言わず、理由を作って妹を部屋の外へ連れ出したのだという。
鏡だけが見ていた景色
この話が事実だったのか、それとも創作なのかは分からない。
だが、この怪談を知ってしまうと、ホテルや旅館で何気なく鏡を見るたび、無意識に部屋全体を映してしまう人は少なくないという。
あなたなら、鏡の中に映るベッドの下まで確認するだろうか。


