ざくっと都市伝説
- 出生率が高い既婚者寮。
- 寮の近くには線路。
- 朝からお盛ん。
アメリカのとある大学には、不思議な噂があった。
キャンパス内にある既婚者向けの学生寮だけ、なぜかほかより出生率が高いというのである。
若い夫婦が多いからだろう、と片付ける人もいた。しかし大学関係者の間では、それだけでは説明がつかない理由がささやかれていたという。
毎朝やってくる目覚まし
その寮のすぐ近くには線路があり、まだ夜明け間もない時間から始発列車が走っていた。
列車が通過するたび、窓ガラスが震えるほどの轟音が寮中に響き渡る。
眠っていた夫婦は嫌でも目を覚ましてしまうが、その時間が実に中途半端だった。
起きて一日を始めるにはまだ早く、かといって再び深く眠るにも微妙な時間帯だったのである。
暇を持て余した二人は
そこで若い夫婦が何をするようになったのか。
大学ではこんな冗談まじりの話が語られていたという。
「始発列車が、大学で一番働き者の仲人だった。」
眠気も飛び、中途半端な時間を持て余した二人は、そのままベッドで愛を確かめ合う。
それが毎朝の習慣になり、ほかの寮より子どもが生まれる割合も自然と高くなった――というのである。
本当に列車のせいだったのか
もちろん、実際に列車と出生率の因果関係が証明されたわけではない。
それでも、「うるさい始発列車が少子化対策になっていた」というブラックジョークは、多くの人の記憶に残り続けている。
迷惑な騒音も、見方を変えれば人生を変えるきっかけになる。
そんな皮肉を笑い話にした、どこか憎めない大学の噂なのである。


