ざくっと都市伝説
- 小学校の女子トイレで聞こえた不気味な声。
- 「かみをくれ」と頼む見知らぬ何か。
- 親切心で差し出した少女に起きた悲劇。
ある小学校での話。
放課後、ひとりの女子生徒が校舎の端にある女子トイレに入った。
古いトイレで、人の気配もない。静まり返った空間に、水滴の落ちる音だけが響いていた。
用を足していると、隣の個室からかすれた声が聞こえてきた。
「かみをくれぇ……」
女子生徒は最初、聞き間違いかと思った。
だが再び声がする。
「かみをくれぇ……」
どうやらトイレットペーパーが切れて困っているらしい。
女子生徒は親切心からポケットに入っていたティッシュを取り出した。
「これ、使ってください」
そう言って個室の下の隙間からティッシュを差し入れた。
その瞬間だった。
個室の奥から青白い手が勢いよく伸びてきた。
女子生徒は悲鳴を上げたが遅かった。
手は彼女の長い髪をわしづかみにする。
「ちがう……」
低く湿った声が聞こえた。
「その紙じゃない……」
そして次の瞬間――
「この髪だよ!!」
女子生徒の髪は根元から無理やり引きちぎられた。
泣き叫びながら逃げ出した彼女は、その後しばらく学校を休んだという。
だが本当に恐ろしいのはその後だった。
引きちぎられた髪は最後まで見つからなかった。
そして数日後。
誰もいないはずの女子トイレから、また声が聞こえたという。
「かみをくれぇ……」
今度は少しだけ満足そうな声で。


