- 深夜のパーキングエリアで突然鳴り出す公衆電話。
- 相手は名前を探している謎の声。
- 自分の名前を名乗ると連れて行かれるという。
深夜の高速道路。
人気のないパーキングエリアに車を停め、仮眠を取ったことがある人もいるだろう。
そんな場所で語られている不気味な怪談がある。
鳴るはずのない公衆電話
そのパーキングエリアには古い公衆電話が設置されていた。
携帯電話が普及した今では利用する人もほとんどいない。
しかし深夜になると、誰もいないはずの公衆電話が突然鳴り出すという。
最初は気にしなかった人も、何度も鳴り続けるため気になって受話器を取ってしまう。
ところが電話の向こうから聞こえるのは沈黙だけ。
「もしもし?」
そう呼びかけても返事はない。
しばらくすると、かすれた声でこう尋ねられるという。
「……誰?」
名前を探す声
不審に思った人が、
「こちらはパーキングエリアの公衆電話です。どちらへおかけですか?」
と答える。
すると相手は低い声で、
「おまえじゃない」
そう呟いて電話を切るという。
この時点では何も起こらない。
むしろそれが正しい対応だといわれている。
問題は、自分の名前を名乗ってしまった場合だ。
「△△ですけど……」
そう答えた瞬間、受話器の向こうから安堵したような声が返ってくる。
「やっと見つけた」
見つけられた者の末路
そこから先は語る人によって結末が違う。
車に戻ろうとすると、無人のはずの自分の車が猛スピードで突っ込んでくるという話。
電話ボックスごと異世界へ引きずり込まれるという話。
受話器の中へ吸い込まれて姿を消すという話。
あるいは電話ボックスの中に閉じ込められ、誰にも発見されないまま餓死するという話もある。
共通しているのは、「名前を名乗った者は戻れない」という点だけだ。
誰を探しているのか
この怪談には続きがある。
昔、そのパーキングエリア付近で大きな事故があり、行方不明者が出たという噂だ。
その人物は亡くなった後も、自分の代わりになる誰かを探しているのだという。
だから電話越しに名前を聞く。
そして名前を知った相手を、自分のいる場所へ連れていく。
もちろん事故の真偽も含めて確かな証拠は存在しない。
だが今でも長距離ドライバーの間では、深夜の公衆電話が鳴っても出てはいけないと言われている。
もし受話器を取ってしまっても、自分の名前だけは絶対に名乗るな、と。
なぜなら電話の向こうでは、今も誰かが探し続けているのだから。


