- フランケンシュタインは怪物ではなく科学者の名前。
- 戦時中、人造人間の心臓が日本へ運ばれたという噂。
- 家畜を襲う謎の少年は研究の失敗作だった。
「フランケンシュタイン」と聞くと、多くの人は大きな体に傷跡だらけの怪物を思い浮かべるだろう。
しかし本来、フランケンシュタインとは怪物の名前ではない。
人造人間を生み出した科学者、ヴィクター・フランケンシュタインの名前である。
怪物そのものには名前がなく、長い年月の中で科学者の名前が怪物の名前として定着してしまった。
そんなフランケンシュタインに関して、日本で語られている奇妙な都市伝説がある。
日本に運ばれた人造人間の心臓
第二次世界大戦中、ドイツでは極秘裏にある研究が進められていたという。
それは人造人間の技術を応用し、「死なない兵士」を作り出す計画だった。
兵士が傷を負っても倒れず、恐怖も疲労も感じない。
そんな究極の兵士を生み出すため、フランケンシュタインの怪物の心臓が研究材料として使われていたというのである。
そして戦局が悪化した頃、その心臓は秘密裏に日本へ運ばれたと噂されている。
当時の軍関係施設で研究は続けられたが、その成果は一切記録に残っていない。
成功したのか、失敗したのか。
それを知る者は誰もいないという。
家畜を襲う少年の正体
だが戦後になってから、各地で奇妙な目撃談が語られるようになった。
深夜の牧場や農村で、家畜が何者かに襲われる事件が相次いだのである。
被害にあった牛や羊には鋭い爪のような傷が残されていた。
そして現場付近では、一人の少年らしき姿が目撃されていたという。
その少年は裸足で山野を走り回り、異常な身体能力を持っていた。
時には銃声を受けても平然としていたという証言さえある。
やがて人々は噂し始めた。
「あれは死なない兵士の失敗作ではないか」と。
研究によって生み出されたものの制御できず、戦後に処分されたはずの実験体。
しかし完全には始末できず、山中で生き延びているのではないかと囁かれたのである。
今もどこかにいるのか
もちろん、この話を裏付ける資料は存在しない。
フランケンシュタインの心臓が実在したという証拠もなく、日本へ運ばれた記録も見つかっていない。
そのため、この話は完全な都市伝説として扱われている。
だが奇妙なことに、戦後しばらくの間は全国各地で「家畜を襲う少年」の噂が繰り返し語られていたという。
もし本当に研究が行われていたのだとしたら――。
そして失敗作が生き残っていたのだとしたら――。
深い山の奥で今も歳を取らないまま彷徨い続けているのかもしれない。
フランケンシュタインの怪物よりも恐ろしいのは、人間が「死なない兵士」を作ろうと考えることそのものなのだろう。


