- 存在しないはずの「鮫島事件」がネットで広まった。
- 事件の詳細を知る者は語りたがらないという噂。
- 作り話のはずなのに今も語り継がれている。
鮫島事件をご存じだろうか。
あまりにも凄惨な内容だったため、新聞やテレビなどあらゆるメディアから記録が抹消された――そんな噂とともに語られる有名な都市伝説である。
鮫島事件について尋ねても、多くの人はこう答える。
「その話には関わらない方がいい」
「思い出したくない」
「詳しく調べるな」
しかし不思議なことに、事件の詳細を知る人はほとんど存在しない。
ある説によれば、鹿児島県沖にあったという鮫島へ5人の若者が訪れ、そのまま全員が行方不明になったという。
その後、4人は白骨遺体で発見されたが、最後の1人だけは見つからなかった。
そして遺骨が遺族のもとへ届けられた翌日、インターネット上にたった一言の書き込みが現れる。
「鮫島にいる」
投稿者の身元は判明せず、その後発見された最後の遺体には不可解な傷跡が残されていた――。
これが一般的に語られる鮫島事件の内容である。
だが実は、この話そのものが創作だった。
発端は匿名掲示板での何気ない書き込み。
「昔あった鮫島事件のスレッドを知りませんか?」
誰かがそう尋ねたことから始まった。
実際にはそんな事件もスレッドも存在していなかったが、面白がった利用者たちが
「あの事件はヤバい」
「関係者が消された」
「資料は全部抹消された」
などと次々に話を膨らませていったのである。
やがて架空の事件に詳細な設定まで付け加えられ、多くの人が「本当にあった事件」だと信じるようになった。
つまり鮫島事件とは、インターネットが生み出した巨大な集団創作であり、現代版の都市伝説なのである。
しかし、ここでひとつ疑問が残る。
もし鮫島事件が完全な作り話だったのなら、なぜこれほど長い間、人々は語り継いできたのだろうか。
もしかすると――。
「架空の事件」という設定そのものが、本当に知られては困る何かを隠すために作られた話だったのかもしれない。
もちろん、それを確かめる方法はない。
だが鮫島事件には、もうひとつの噂が存在する。
真相を知りたい人は、こちらの話も読んでみるといいだろう。
もっとも、その先に何が待っているのかは保証できないが……。


