百物語の百話目を語ったのは誰だったのか

怪談・怖い話
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ざくっと都市伝説
  • 百物語も、いよいよ最後の一話。
  • 誰も語りたがらない沈黙を破ったのは、一人の声だった。
  • だが、その声の主を知る者は誰もいなかった。

百話目を語り終えると、本当に怪異が現れる。

そんな言い伝えで知られる百物語には、今でも語り継がれている噂がある。

ある夏の夜、十人の若者が友人の家へ集まり、百物語を始めたという。

部屋の照明を消し、百本の蝋燭だけが室内を照らしていた。

一話語り終えるたびに、一本ずつ火を消していく。

話が進むにつれ部屋は少しずつ暗くなり、空気も重くなっていった。

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九十九話目のあと

やがて九十九話目が終わる。

残る蝋燭は、最後の一本だけ。

あと一話。

その一話を語り終えれば、本当に何かが現れると言われている。

誰も最後の話を始めようとしなかった。

蝋燭の炎だけが静かに揺れ、部屋は長い沈黙に包まれる。

どれほど時間が過ぎただろう。

突然、暗闇の中から一人の声が聞こえた。

静かに語られるその話は、それまでで一番恐ろしく、誰も口を挟めなかったという。

百話目を語った声

やがて話は終わった。

最後の一本だけが静かに揺れている。

しばらく待っても、何も起こらない。

「……終わりか。」

そう言って一人が最後の蝋燭を吹き消し、部屋の照明をつけた。

緊張が解け、誰かが笑いながら言う。

「最後の話だけは、本当に怖かったな。」

「ところで、あれ誰が話したんだ?」

すると十人全員が顔を見合わせた。

「俺じゃない。」

「私でもない。」

誰一人として、最後の話を語った覚えがなかった。

しかも、その声には誰も聞き覚えがない。

部屋の空気が、一瞬で凍りつく。

その時だった。

部屋の隅で、誰かが膝を抱えて座っていることに気付いた。

十人の誰でもない、人影だった。

全員が息をのむ。

その人影はゆっくり顔を上げ、小さく笑ってこう言ったという。

「俺だよ……」