スマートホーム監視カメラに映る奇妙な現象。深夜だけ反応する“存在しない訪問者”

- スマートホーム化後、AIが深夜に「誰かが来た」と通知
- 監視カメラ映像には、誰もいないリビングが毎晩映る
- それは“毎晩23時23分”だけ繰り返される奇妙な現象だった…
毎晩23:23にだけ現れる「何か」
僕は、自宅をスマートホーム化して3ヶ月になる。セキュリティも利便性も向上したし、家の中の温度や照明までスマホで調整できるのは正直快適だ。もともとWeb系のフリーランスをしていて、在宅ワーク中心の生活だったから、そういう環境整備にはちょっとこだわりがある。
特に重宝しているのが、玄関とリビングに設置したAI監視カメラだ。動きを感知するとスマホに通知が来る仕組みで、防犯のためというよりも「何か変なことが起きていないか」を気軽にチェックできるのが安心感につながっていた。
でも…ある日、奇妙な通知が届いたんだ。
リビングに“誰か”がいる?
それは、平日の夜だった。仕事がひと段落したのは22時過ぎ。いつものように軽くシャワーを浴び、冷えたお茶を飲みながらニュースアプリを見ていたら、スマホに通知が来た。
「リビングに人を検知しました。23:23」
……?
僕は一瞬「え?」と声が出た。
在宅とはいえ、夜のこの時間にリビングに誰かがいるわけがない。家には僕一人。玄関のロックも確認済みだ。もちろん、リビングに行っても誰もいない。照明は落としてあるし、エアコンも切ってある。
「カメラの誤作動か?」と思いながらも、スマホから監視カメラの映像履歴を確認してみた。
そこには、暗いリビングの映像が映っていた。
人影も音もない。ただ、ソファに向けて配置されたカメラが、少しだけブレたような微妙な“揺れ”を記録していた。
それが「動き」として検知されたのか…と納得しかけたが、映像のタイムスタンプを見て、ふと気づく。
“23時23分”。
過去の記録にも残っていた異変
気になって、過去の履歴を遡ってみた。
すると、数日前の同じ時間にも通知が来ていた。
…その前の日も。さらにその前も。
全部、「23時23分」ちょうどに“リビングに動きあり”と記録されていた。
さすがに気味が悪くなった僕は、翌日から映像をリアルタイムでチェックすることにした。
“それ”は今日もやってくる
そして次の夜。
23時を少し回ったところで、スマホを手にライブ映像を開く。部屋の照明は落としてある。僕は自室のデスクに座っていた。
23:22
特に変わったことはない。ただ、カメラ映像を見ているこちらの鼓動が少しずつ早くなる。
23:23
──その瞬間、カメラが「カチッ」と小さな音を立て、オートフォーカスがブレたように一瞬ピントが外れた。
画面には誰もいない。…が、何かが通ったような“空気の揺れ”が見えた。
いや、見えた気がした。
それでも、通知は鳴った。
「リビングに動きを検知しました。23:23」
その日から、毎晩その時間になると通知が来る。
試しにリビングで待機していたこともある。
でも、23:23になると、決まってカメラのピントが一瞬ずれ、その後に通知が届く。
目には何も映らない。音もない。…でも、“何か”はいる。
AIは“存在しない何か”を記録している
知人のセキュリティ関係のエンジニアに相談もしてみた。
でも、「誤作動か、Wi-Fiのラグじゃない?」という返事しかもらえなかった。
AIのログを調べても、動きの履歴は正しく残っていた。
ただ、ひとつ気になる話をネットで見つけた。
「スマートカメラが同じ時間に動きを感知するのは、“残留思念”が時刻に引き寄せられている可能性がある」
もちろん、科学的な根拠はない。オカルトの領域だ。
でも、“その時刻にだけ現れる何か”が、AIに反応させているとしたら…?
僕は今も、その通知を受け取り続けている。
毎晩、23時23分。
何かが、そこにいる。
そして今日もまた、もうすぐその時刻がやってくる──。