養豚業者は豚トロを食べない
ざくっと都市伝説
- 豚の飼育中に首元に抗生物質を注射する。
- 豚トロは抗生物質を注射する部位。
- 危険性を知っている養豚業者は食べない。
豚トロは抗生物質の注射をする首に近い部位。その注射の物質が残っていることを知っている養豚業者は豚トロを絶対に食べようとはしない。
豚トロとろは脂ののった豚肉の呼び名であり、タンやカルビのように特定の部位のことではない。「豚トロ」はもともと焼肉屋が名付けたもので、評判がよかったために食肉業界がブームを狙いその名を広めた。そのためスーパーなどで商品名を「豚トロ」とする場合は必ずカッコ書きで<ネック>など、どの部位の肉なのか規則に沿った表記をするように注意喚起がされている。
注射をする部位に必ずしも近いとは言えないが、出回っている豚トロはネックや肩が多いので一般的認識としては首周りの肉で間違ってはいない。
しかし注射から出荷までは厳しいルールがある。Aという薬を注射したら、注射後1週間は出荷できないなど、残留薬物の心配がないように注射の種類によって注射後出荷できるようになるまでの期間が決められている。この期間を破れば保健所から営業停止処分をくらうことになる。この期間を過ぎていても注射痕があれば食肉用として加工することはできない。
抗生物質を投与することに間違いはないが、豚トロに薬物が残っているということはない。薬物投与に過剰に反応した消費者が広めた噂にすぎない。