卵は食べ過ぎてもコレステロールの心配はない
ざくっと都市伝説
- 食べ過ぎでコレステロールが増えたのは草食動物。
- 雑食の人間とは関係がなかった。
- コレステロールの摂りすぎの心配はない。
卵は1日1個までと言われてきた。検査でコレステロール値が高いと「卵は控えめに」などと言われるくらい、卵を食べるとコレステロール値が上がると考えられてきた。
実際は卵はコレステロール値の上昇とは関係がない。卵どころか食事でとるコレステロールは、コレステロール値には影響しない。
そもそも卵を食べるとコレステロール値が上がるという話は、ウサギに卵を食べさせたら血中コレステロールが急増したという実験結果だといわれる。
草食動物であるウサギはコレステロールを蓄積しやすい体質。人間は雑食で草食動物のようにコレステロールを蓄積する体質を持っていない。ウサギでの実験結果をなぜ人間に当てはめるということは、よくよく考えればおかしなことだがなぜか最近まで信じられてきた。
実際、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2010年度版」まではコレステロールの摂取基準は男性720mg以下、女性600mg以下と記載されていたが、最新の2015年度版ではこの摂取基準が削除されている。
基準値の代わりに以下のような表記(要約)がある。
コレステロールは体内でも作られているもので、食事によるコレステロールは全体の1/3~1/7程度しかない。食事で多くコレステロールをとれば、体内で作られる量が減り、逆に少なければ体内で作られる量が増える。コレステロール値の上昇は食事による摂取が原因ではなく、遺伝や代謝状態によるもの。
つまり、卵はまったく無関係にもかかわらず、永い間悪者にされてきたのである。
サルモネラ菌、食中毒が心配で生卵を控えている人もいるだろう。生卵の生食期限と言えば1週間。長くても2週間程度。菌の繁殖などを考えると納得のいく期間である。