百番目の猿現象
ざくっと都市伝説
- 一匹のサルがある行動をとると、群れのサルたちが真似を始める。
- 遠い地にいる同種のサルも突然同じ行動をとるようになる。
- 接触がなくても同類の仲間に伝播する。
百番目の猿現象とは。
宮崎県の幸島に棲息するニホンザルの一頭がイモを洗って食べるようになり、同行動を取る猿の数が閾値(仮に100匹としている)を越えたとき、その行動が群れ全体に広がり、さらに場所を隔てた大分県高崎山の猿の群れでも突然この行動が見られるようになったという。
「ある行動、考えなどが、ある一定数を超えると、これが接触のない同類の仲間にも伝播する」という現象。ライアル・ワトソンが1979年の著書 『生命潮流』で述べ、1981年に出版されたケン・キース・ジュニア『百番目のサル』世界中に広まった。これが日本では『百匹目の猿―思いが世界を変える』(船井幸雄著)で紹介され、人間にも同様の現象が存在するのではないかということでニューエイジ関係で有名になった。
だが実際には、初めに報告されていたニホンザルの逸話は創作されたもので、高崎山はもちろん群全体に伝播したという事実も観測されていない。ライアル・ワトソンは河合雅雄の論文によるものとしていたが、その論文に反する内容であり、全くの創作であることをライアル・ワトソン自身も認めている。